今朝、目覚めたら、なんだか蔵王の麓の夏休みのような空気がして気分がよく、そのまままどろんでいたのだが、煙猫が空を切る怪しげな踊りを始めたので仕方ないなと体を起こした。よく見れば煙猫の視線の先にはブンブンと飛ぶ一センチくらいの大きな蝿が一匹…

携帯のメールで宛先なしのまま本文にメモを取ることがよくあって、私の未送信メールフォルダは投げっぱなしの言葉で埋もれています。本日そのフォルダの棚卸をしました。 下記は2月28日乗っていた電車が人身事故にあったときのもので、私は先頭車両にいまし…

take count of

まだ明るいうちに家に着き布団に包まってヘリの音を聞いていたのだが、いつの間にか寝ていたらしく猫におこされて20時。今日は官邸前で原発再稼動中止の大規模なデモがあったらしく、それが重要事とは分かっていても今の私は自分の気持ちを保つのに精一杯で…

エゾ鹿バラバラ会に参加しました

野生のエゾシカは見た事ないけど野生のカモシカなら見かけた事があるふきです。 さて、思い立ったが吉日、えいっとid:sabatoikaさん主催のエゾ鹿バラバラ会に参加申し込みをしたものの、詳細が書かれたメールの持ち物の欄に包丁とあって(枝肉を解体して料理…

消えた場所、残るもの

仕事を終えて大晦日の遅い電車は人もまばらで、来年への境目はぽんと飛び越えられそうな所まで近づいている。駅には終夜運転のお知らせが貼られていて、ああそうか、朝まで電車は動いているんだな、次は新年明けたばかりの東京の夜を楽しもう、などとぼうや…

風に飛ばされる以前の話

ある本を読んでいて思い出した。小学生の頃はどの子も誕生日になると自ら招待状を書いて友達を呼び“おたんじょうかい”を開いていた。畳敷きのお座敷でサンドイッチやから揚げが入った大皿に何種類かのジュース、みんなでハッピーバースデイを歌ってケーキの…

10years ago

盆でも正月でもないのになぜ帰省したのか思い出せなかった。ある写真をみてはっとした。父が、家族と自分の兄弟に召集命令をかけたのだった。十年一昔、蔵王の麓の秋です。

育猫ノイローゼ

母が猫を飼い続けることができなくなり、母と妹のみの家族会議の結果、どういう訳か、ペット禁止ワンルームに住む私が引き取ることになっていました。猫は好きだし、この猫と私はお互い見知っていますが飼うとなると話は別です。 その昔、医師になる道は他人…

迎春

明けましておめでとうございます。 賀正とか謹賀新年とか賀詞には色々ありますが、迎春が好きです。 なんだか正月気分が足りないので書初めでもしようかと思い立ちました。小学生以来です。段の腕前などありません。もちろん書道用具もありません。店で物色…

午後三時半を過ぎると宿題を持って突撃してくる男の子がいる。今日は漢字ノートにひたすら「乱乱乱乱乱乱…」次の行に移って「おばあさんが列を乱したので混乱した。」なるほど、漢字を使って一文を作るらしい。音読みと訓読みを両方使った文はなかなかだと思…

いるかの言葉

私はどちらかといえば孤独なんだろうか、でも“孤独”って漢字で書くと大仰だよななどと考えていた特に予定もない帰宅途中、 さびしいくらいしずかだと、コドクがすきなぼくでも、だれかとお茶を飲みたくなる という一文を思い出した。ん、これくらい。 『とも…

夕焼け小焼けのタイムマシン

大分、間があきました。 小学生の時の門限は17時。役場のスピーカーが「カラスと一緒に帰りましょう」と家路を促す。夏の17時はまだ日が高く、切り上げるのには惜しい気がする。スピーカーはそんな子供の気持ちを見透かしてか繰り返し歌い、山にぶつかり戻っ…

小豆煮る夜

昨日、夜も21時過ぎに「ぜんざいが食べたい」と思い立ち、小豆を煮始めた。全く、さんざん散らかり放題の部屋で鍋をじっと見すえて小豆煮てる女なんてろくでもない。おまけ程度の吸水、そして点火、一時間が経ち二時間が過ぎ、まだ煮えない。「あーぶくたっ…

もりのなか

「もし、そこのお嬢さん」と呼び止められ、もらった袋には「○○(所属)の娘さん」と書かれていた。森深くへ迷い込んだかな、お嬢さんなんて呼ぶのはおおかみか悪い魔女と相場は決まってる。赤ずきんかグレーテルか、そのうち食われる。

刺客あらわる

ビジネスマンに子供連れ、革靴にビーチサンダルピカチュウ帽子。混沌とした夏休みの地下街を、ただその流れにまかせてのらりくらりと歩いていた。流れ流れてどんぶらこ 辿り着いたら鬼が島 一旗上げて宝船、とぷかぷか浮いていたら、こちらに向かって歩いて…

夏休みの宿題−日記

8月1日 土曜日 くもり 起きたら9時でした。昨日は夜7時にねたので1日の半分もねてしまいました。もったいないと思いましたが元気いっぱいで起きれたのでよかったです。歯医者さんに行きました。2時間待ちました。私の順番が回ってきません。もう帰らないとい…

柱の傷

母が住んでいる賃貸マンションの押入れの奥に高さ180センチほどの木の板を1枚隠してある。実家を売り払った際に私がこっそり持ってきたものでたぶん母は知らない。 父が死んで家を売るにあたって古い裏屋を取り壊すことになり、置きっぱなしになっている大量…

今朝の夢

そこは大きなスーパーの文房具売り場のようなところだった。新学期の準備か品定めをする私達兄弟。無機質な金属のラックにピカピカの一年生使用の濃い黄色のバッグに入った道具が狭い通路に所狭しと並んでいた。何でもかんでも黄色いバッグに入っているので…

この違い

子どもの頃「一本橋こちょこちょ たたいて つねって 階段のぼって こちょこちょこちょ」という腕でやるくすぐり遊びがあった。これが「東京都 日本橋 がりがり山の パン屋さんと つね子さんが 階段のぼって こちょこちょこちょ」というものだということを知…

上京の日

新幹線のホーム。見送りに来てくれたのは当時付き合っていた人で、ついに遠距離恋愛かと思いきや、発車直前の別れ話。発車のベルは鳴るし、とにかく私はこの新幹線に乗らねばならない。 東京。迷い迷ってたどり着いた今日から暮らす部屋。アパートの前に車で…

絵を描くのが好き でもあまりにもへた 写真も撮ってみた でも恥ずかしくてレンズが向けられない だから 絵を描くように書けたらな シャッター押すように書けたらな って思うよ

電車待ちのホーム。日を浴びる線路、敷石、ぐっと見上げて青い空。ソメイヨシノも開花宣言、満開にはまだ早いのに紅白提灯ぶらさがり、行き交う人も春爛漫。私が首に巻いている布はもう季節外れで景色から浮いている。前に並ぶ男性の足下に、色も抜けてしわ…

少し遅い朝。ドア付近に立っている母娘。卒園式なのだろう、ドアが開くたびに日光が二人の靴を照らすものだから、艶ある黒靴がまぶしく光った。あれは本皮かしらエナメルかしらなどど、どうでもいいことを考える。天気は上々、極楽電車。

栞 

いつの間にか置いてあった。 「本を読むと、つぼみさん」

だるまさんがころん「だ」

携帯電話のメールは「だるまさんがころんだ」みたいだ。「だるまさんがころんー」で文字を打ってる。なんとなく高ぶっていてわーっと進む。「だ」で送信。ほんの一瞬空気がとまる。動いたのは私?あーあ、鬼になっちゃった。そんな感じ。

ボイコット 2と1/2

職員の余興。受けを狙った寸劇とそれに続くバンド演奏、その他大勢ずらずら並んでコーラス隊。これがコーラス隊とは名ばかりのブラウン管ダンサーズ。ツーステップは足踏み軽く手はひらひらと上下に舞って、あげくのはてには肩をいからせ胸を振る。私は職務…

すいーとなすりきずはすろーなすけーと

昨日、ぽっかり空いた時間があって、さてどうしよう。なんとなしにペンを握り、自分の名前を書いたり目に見えるものを手当たりしだい文字に写したり履歴書を書くくらい丁寧に書いたり書きなぐったりした。それから「あ」から五十音を並べ、その字から始まる…

pop up2

新たな亡霊が現れた。書き手は不明、書き込まれた文体や字体から勝手想像、まことしやかに物語が出来上がり一人歩きを始める。性別年齢職業家族構成エトセトラ。「あなたの考えをご自由にお書きください」四角い枠の中に透けて見えるもの。部屋の中に何百通…

pop up

自分の部屋で文学を読むことができないのは目に見えない何かが居着いてしまいそうなのが怖いからで、私の読書スペースは主に通勤電車や喫茶店だ。読み始めると渦巻いて立ち上る煙、煙。そのうちに魔法のランプさながら亡霊が現れる。書き手を離れてなお飛ん…

たみさんへ

昨日の夜に聞きました。脚は痛みますか。暖かい場所にいますか。それともお気に入りのベッドの上ですか。今日の仙台は雨雪だそうですから寒くしてなければいいなあと思っています。こちらもざんざん降りが続いています。外に出る気が全くおきないので、今日…