小豆煮る夜

 昨日、夜も21時過ぎに「ぜんざいが食べたい」と思い立ち、小豆を煮始めた。全く、さんざん散らかり放題の部屋で鍋をじっと見すえて小豆煮てる女なんてろくでもない。おまけ程度の吸水、そして点火、一時間が経ち二時間が過ぎ、まだ煮えない。「あーぶくたった煮え立った煮えたかどうだか食べてみよう、むしゃむしゃむしゃ」「まだ煮えない」と唱えること幾度(生煮えの豆は不味かった)、眠気も襲ってくるし、もう失敗してもかまわんと強火にしたら、あっという間にふくらんだ。完成。今思えば、私が煮えたかどうだか次々とかじった豆は、粒あんを想像さえすれば見ただけで生だとわかる代物だったのでどうしようもないのだが、それよりも、袋に入っていた小豆を全部ざざっと開けて煮たことのほうが問題で、つまり、小鍋いっぱいの煮豆ができてしまった。もさもさっといつの間にか増えているのはわかめちゃんだけじゃないんだ。我が家には鍋は一つ、この大量の煮豆が入っている鍋しかない。やかんもない、水沸かせない、米炊けない、料理できない 煮豆を入れる大皿もない、食べつくすまでは水しか飲めない、ないないラッパーの私。
 今日は誕生日なので、ケーキでも買って帰ろうかと思ったのだが、ふっくらとふくらんだ小豆がつきまとって仕方ないので、もちを入れたぜんざい食べた。小豆でハッピーバースデートゥーミー。
 
 小豆とごうか、人とって食おうか シャキ シャキ
 小豆炊きましょ、一人で食べましょ パク パク