今朝の夢

そこは大きなスーパーの文房具売り場のようなところだった。新学期の準備か品定めをする私達兄弟。無機質な金属のラックにピカピカの一年生使用の濃い黄色のバッグに入った道具が狭い通路に所狭しと並んでいた。何でもかんでも黄色いバッグに入っているのでおかしな売り場だと思いつつ、私は下敷きのようなものを選び、父に「一緒にお願い」と渡した。
それから家族揃って路地を歩いた。細い道を抜けきると昔ながらの商店街があった。あ、知っている街だと私は思う。でも街の名前は思い出せない。目の前にうどん屋があり、電信柱二本ほど離れている店に天婦羅の入ったバットをもったおばちゃんが見えた。山積みになっている天婦羅に値札が竹串で刺さっている。「ここは二号店なんだ」と母に言う私。「食べて帰ろうか」ところが父が見当たらない。くるっと振り向くと父が自転車にまたがっている。カゴの中に直接入れられた大量のうどんとそば、そして天婦羅。ああ、うちでつくるのか。


と思った瞬間、アパートの住人がガラガラと階段をかけ降りる音で目が覚めた。鮮明な夢を見たのは久しぶりなのでうれしくなった。

中学生の頃だったか隣町に巨大なショッピングセンターができた。週末になると家族で買い物に行くようになった。母が食料品を選んでいる間、妹と弟は母についてまわり、私と父は本屋に行く。本であれば「一緒に買って」と渡せば無条件に買ってもらえた。買い物も終わり車に戻ってきた時には、妹と弟は菓子やホットスナックを、私は本を手にしている。彼らは私の本にさらさら興味はないが、私は彼らの持っている菓子には大いに興味がある。「少しちょうだい」「いやだ」「ちょうだい!」「いや!」車の中で毎回喧嘩になった。
また、我が家では、ステーキ、すき焼き、鍋焼きうどんに年越しそばなどは父が腕をふるった。総じて濃い味付けで母はしばしば顔をしかめていたが、父が台所に立つのは誰もが楽しみだった。