気に入らない。そんなことを書きたいわけじゃない。長々と書いた文章を消しゴムで一気に消した。私に配られた藁半紙は消してばかりでいつも破れた。あー、いっそ書かないほうがいいんじゃないだろうか。白紙で出した高校最後の国語のテスト。先生は驚いたに違いない。
 ノート、メモ帳、ダイアリー。途中で嫌気がさして使い切ることなく頻繁に新調した。今でも変わらず、部屋に積み重なるはうらめしそうにこちらをみる紙束の山。
 重たく重たくなっていく。