たこたこあがれ

仕事に身が入らず、ぼーっとしていたら、視界を白いものが横切った。窓辺を見やると、子どもが凧を揚げているようだ。骨のないぐにゃぐにゃの凧。
 小学校の頃、凧揚げ大会があって、そのために冬休みに凧を作るのだけれど、父親が工作好きなものだから、私の凧は凝っていて、いつも奴凧や烏賊凧。凧ひごをあぶって曲げて凧糸でくくって作ってくれた。私はもっぱら絵専門。でも飛ばない。愛情一杯だからって飛ぶとは限らない。地面をがさがさって擦っておしまい。

やっこだこはひとばんじゅうそらをみあげていました。ふゆのそらに、しろいほしやあおいほしがきらきらひかっていました。

 これは小学校二年生か三年生の時の書き初め(硬筆)のお題。木にひっかかったままの凧の話。私の凧も木にひっかかるくらい高く風の間で泳がせてあげたかったな。今もそう思う。