今朝の夢

 立て替える前の我が家。小さい子がどうしても入りたいというので、一緒にいえにあがると、お座敷にはたくさんの透明な筒があり、その筒の一本一本には、透き通るような緑色の水草と、鮮やかな金魚が一匹づつ。赤紫色で細く枝分かれしたひれを持つもの、赤と白のまだら模様の美しいもの、ピカピカ光る黄金色のもの。 そのお座敷を抜けて茶の間に出たのだが、縁台がぼろぼろで、ああ、この家はもう古いんだなってちらっと思いながら、そこから見える池を眺めた。そこにもたくさんの金魚たち。小さい子に、もう帰るんだよってうながして玄関へ行ったその時、何かが傍を通って、ぱっと上を見たら、唐彩色の大きな金魚が部屋の中を飛んでいて、屋根裏へ入っていくところだった。大きさは一メートルくらい、金魚というより、何かなまずに近いような形。なぜか梁の上で母親が針仕事をしていて「これは陸魚よ」と言った。私が「ねえ、一番大きかったあの金色と銀色の金魚は?」って聞くと、「あれはもう死んだのよ」という答えが返ってきた。

 そこで目が覚めた。



 本当に色鮮やかで素敵な夢だったので忘れないうちにばーっと書きました。
家を建て替えたのは小学6年生中学生の時で、私は古い木のうちが好きだったので立て替えるのが嫌でした。庭には3×1.5メートルくらいのコケがびっしりついたコンクリートの池があり、中にはたくさんの睡蓮と金魚がいました。冬は氷の下で冬眠し、暖かくなると動き出し、自由気ままに暮らしていたように思います。おじいさんが餌をやっていたのですが、その餌のやり方がまた妙で、細く長い竹の先をスプーンのように削って、そこに餌をのせ、家の窓からその竹を池までのばして、餌をまいていました。今思えばあれは外へ出なくても餌をやるための必殺技だったんだなあ。
 おじいさんが亡くなってからそういえば金魚のことはあまり考えなかったように思います。家を建て替えたのはその後だし、そういえば、あの金魚たちどうなったんだろうか。

 それにしても、物語になりそうな座敷童子ならぬ座敷金魚の夢でした。